〝シンプルな形でも エレガントな雰囲気が出せる。 それがデクトンのオーラでした〟
有楽町駅前のランドマークとなっている有楽町マルイの2階、レディスシューズのショップが並ぶフロアで、スタイリッシュな内装でひときわ目を惹くショップ「ルシーダ」。デザインと素材、履き心地にこだわったレディススニーカーを提案するショップで象徴的に使われているのが、コセンティーノを代表するデクトン®のオーラです。今回、デザインを手がけたインテリアデザイナーの茶畑恵さんをCosentino City Tokyoにお招きしてインタビューを実施。ショップをはじめ、最前線で活躍するデザイナーの声から、インテリアデザインの現在と未来を展望します。
デザイン自体はごくシンプルに。
だからこそ、高級感を演出できる建材が重要
今回のショップ「ルシーダ」は、スニーカーとしては単価が高めなので、大人っぽい感じにしたいとお客様からリクエストがありました。なので、モルタル調のごく普通のスペースに建材で高級感を出すように意識しましたね。天然大理石を思わせる大柄の模様が華のあるデクトン®オーラは、シンプルな形でもエレガントな雰囲気を出せる素材として選びました。完成したショップを初めて見たときも、思った通りパースで描いたままの表情に仕上がっていて、シューズショップが並ぶフロアになじみながら、ワンランク上の印象になっていると思います。
大理石が好きなので、それに近い表情が出せる
サイルストーンを使ったことがあります
ハイクラスの住宅をデザインしたとき、キッチンの天板に何を使おうかとヨーロッパの上質なキッチンブランドのショールームに伺ったとき、サイルストーンと出会いました。人工大理石より色がいっぱいあって、石目もいかにもという感じじゃなくて天然大理石に近い柄が表現できている。こんな素敵な建材があることを知って、ぜひ使ってみたいと思いました。
新事業でジェラートショップを始めて、
インテリアデザインにおいても
よりお客様の望むことがわかりました
設計会社に勤めていたときは、100坪クラスの大規模な飲食店、オフィス全館、サービスエリア全体など規模の大きなプロジェクトも多く、達成感も大きかったですね。7年前に独立して起業し、自ら代表を務める立場となってからは、一般住宅より店舗の内装を手がけることが多くて、とくに飲食店の仕事が増えました。設計・インテリアデザインはもちろん会社の柱として続けていきますが、2023年1月には、清澄白河にヴィーガンジェラートのショップ「TUTTO」(トゥット)を開業しました。もともと飲食店の仕事は多かったんですが、自分が運営する立場になったら「こういうものが必要」とか「もっとこうであればいいのに」といった細かいニーズまで設計に活かせます。お客様と同じ立場になって、それが初めてわかりました。経営を通じて学んだことを設計やデザインに反映して、よりお客様に喜んでいただけるインテリアをデザインしていきたいです。
いま日本のショップデザインでは
写真映えすることが大切です
ショップのデザイントレンドとしては、いま若い世代に人気のある「韓国風」というか、明るいカラーを組み合わせた内装が目立ちますね。今回のジェラートショップも「大人かわいい」をコンセプトにデザインしたところ、結果的にパステルカラーを使ったデザインになっています。大規模な美術館があってアートに興味をもつ人が集まる清澄白河でも、おいしいのはもちろん、若い世代が「映え」を求めて立ち寄る最新スポットになっているようです。いまはやっぱりSNSとかに取り上げてもらわないと、なかなか売り上げにつながらないところがあります。だから、若い世代に注目してもらえるようなインテリア、要するに「写真映えするスポット」をたくさん創ることが必要でした。その結果、やはりSNSに登場することが多くて、認知度アップや営業面からも、写真映えするポイントの大切さを実感しました。
サステナブルについての想いを共有できる。
そんなお客様には積極的に提案します
建築・インテリアデザインにおいてサステナブルはもちろん大切で、いつも意識はしています。でも、現実的にはコストの面で難しいことも多く、すべての仕事で追求していくことは難しい状況です。コセンティーノさんはサステナブルを追求されているということなので、その建材を使うこと自体が環境への配慮につながりますね。そういったことを共有できるお客様であれば、積極的に提案していきたいと思っています。
〝自分がやってみたいプロジェクトではなく お客様に喜んでいただける デザインを追求していきたい〟
茶畑 恵
インテリアデザイナー・建築家