水と光の静謐なアートが描き出すサステナビリティの未来
秋に開催されるデザインとアートの祭典「Designart Tokyo」。毎年、Cosentino City Tokyoを大胆に改装してEXHIBITIONを開催しているCosentinoは、“洗練されたストレスフリーな生活文化”を追求するプロダクトデザイナー、James Kaoru Bury氏とコラボレーション。素材と技術によってサステナビリティの未来を見つめるインスタレーションを展開しています。
廃材に新たな生命を宿らせるインスタレーション
Cosentino City Tokyoの2階に足を運ぶと、いつもとまったく違うほの暗い空間が広がっています。EXHIBITIONのタイトルは『PEACE OF REST』。テーマボードの右側には、Cosentinoの素材を製作する際に生まれる廃材が積み上げられ、訪れる人に問いかけるような空間が現れます。
今回のインスタレーションを手がけたのは、バスルームなどの住宅設備、家電製品、生活雑貨などのデザイン経験を重ねてきたプロダクトデザイナーのJames Kaoru Bury(ジェームズ 薫 ビューリー)氏。快適な住環境の創造と持続可能な事業の両立を意識し、豊かさと実現性を兼ね備えたデザインを目指しています。「今回、廃材を使ったプロダクトというオファーをいただいたのですが、ずっとバスタブなどをデザインしてきたので、やはり人に癒しを与えたいという発想で『REST』。実は『REST』には残り物という意味もあるので、廃材を使う試みにふさわしいと思ってテーマを決めました」。
継ぎ目のない美しい仕上がりを実現する大判サイズはCosentinoの素材の魅力ですが、その一方で多くの端材が生まれ、産業廃棄物となっていきます。そんな行き場を失った廃材に新たな可能性を見出し、デザインの力で新たな生命を与えるチャレンジが、静謐で美しいインスタレーションとして結実しました。
ずっと眺めていたくなる水と光のアート
奥の空間に入ると、まるで祭壇のような空間の一番奥にスクエアの水盤があり、そこには絶えず水が流れながらゆったりと波紋を描き、ウォールにはゆらめく光の影が映し出され、時を忘れてぼんやりと見入ってしまう美しい光景が広がっていました。さらに、森の中に佇んでいるような香りに包まれ、アンビエントミュージックとかすかな水の音色が響き合う。まさに、五感のすべてに染み入るような没入型のアート体験が味わえます。
「ただ眺めるだけの洗面台があってもいいんじゃないか。完璧に美しい表情の洗面台ってどういうものなんだろう」。そう思ったビューリー氏は、「5月の湖にふわーっと吹く心地よい風を再現したい」との思いから『五月(さつき)』と命名した水盤をデザイン。内部にモーターを入れてアナログで波を出していますが、プログラミングによって最適な数値を見つけ、自然のような波を出すのが最も難しかったそうです。
さらに、照明も大切な要素で、美術館などで使われるカッタースポットライトを採用。アイティーエルという照明のプロフェッショナルの協力を得て、必要なところだけを超高出力の明かりで浮かび上がらせるライティングによって、ドラマティックな空間が生まれました。
『PIECE OF REST』が描き出すサステナビリティの未来
一般会期に先立って、10月31日の夜は、メディア、建築・インテリア関係者を招いてキックオフイベントを開催。ビューリーさん自らプレゼンテーションを行い、ゲストの皆さまに丁寧に説明をする姿が印象的でした。
プレゼンテーション終了後は、スペインの料理とワインを楽しみながらの懇親会。ここでも、建築・インテリア関係のゲストはビューリー氏に質問を投げかけ、お互いのプロジェクトについての意見交換が活発に交わされました。
ジェームズ 薫 ビューリー氏とCosentinoが思い描いた世界観を、ロックマスターのクリエストン、照明のアイティーエル、エンジニアリングのSPLINE DESIGN HUBなど、各分野のプロフェッショナルたちがタッグを組むことで実現した、五感に響くアーティスティックなデザイン。人々の心に癒しを与えるこの空間から、サステナビリティな未来へのメッセージを受け取ってください。












