ファサードから考える、未来を創る建築とは？

建築界有数の国際カンファレンス、東京で初開催！

東京、ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、マドリッド。世界の大都市を歩いていると、圧倒的な存在感をもつモダン建築と出会います。風景を映して街と一体化するミラーガラスのカーテンウォール。格子を思わせる和の趣のある意匠。モザイクのような凹凸が陰影を描く壁面。いずれも、個性的なファサード（外壁）が“建造物の顔”となっていることがわかります。

10月12日に東京マリオットホテルで開催されたファサードデザインとエンジニアリングに関する国際カンファレンス「Zak World of Façades」は、“スマート・ビルディング・テクノロジーによる革新性から生み出される、環境配慮型サステナブル ファサードデザイン”がテーマ。初の東京開催となるこの日は、国内外から数多くの建築設計士やデベロッパー、ゼネコンの関係者が参加し、学術的な中にも華やかな雰囲気で開幕を迎えました。

建築現場における持続可能なイノベーションとその課題についてのセッション、建築建材に関する最新テクノロジー・ソリューションの展示、参加企業の製品プレゼンテーションなど、充実したプログラムの数々。学ぶことがたくさんある、価値ある１日の始まりです。

国内外のプロフェッショナルが語る環境配慮型ファサード

カンファレンスは、山梨知彦氏（日建設計 常務執行役員・主設計者）の「建築デザインの可能性とみらい」の発表からスタートしました。山梨氏の代表作は、バイオスキンという雨水の僭熱冷却でヒートアイランド現象を抑制する効果をもった「NBF大崎ビル（ソニーシティ大崎）」で、国内外の多数のプロジェクトに参画して数多くの賞を受賞。日本におけるサステナブル建築の第一人者のスピーチには多くの聴衆が集まり、熱心に耳を傾ける様子が印象的でした。

セッション２では、世界最高水準の環境性能とスマートテクノロジーをもつオフィスビル「The Edge」のデザインを手がけた相浦みどり氏（PLPアーキテクチャー　取締役）が登壇。「ライフセントリック（生命中心）デザイン」をテーマに、人と自然環境の活性化を目指すデザインアプローチ、ライフサイクルデザインについて講演し、興味深いお話に多くの参加者が注目しました。

サステナブルの先駆者COSENTINOもスピーチ

セッション３のラストには、弊社コセンティーノ・ジャパン株式会社のゼネラル・マネジャー　世古守が登壇し、「新たな外装材の可能性―大判セラミックタイル」と題した発表を行いました。大判セラミックが叶えること、ファサードとしての進化と世界の事例、建築に携わるプロとしての使命についてのスピーチは、未来へ向けて、カーボンニュートラルを達成したファサード素材「DEKTON®」が秘めた力を感じさせるものでした。

セッション４では、「人と環境をつなぐファサードデザイン」をテーマに５人のパネリストによるトークセッションが行われ、異なる立場や経験から生まれた意見を積極的に交わし合い、より高いレベルの白熱したディスカッションによって、会場全体が熱気に包まれました。

カーボンニュートラル素材「DEKTON®」

会場では、参加企業の製品のプレゼンテーションも行われ、コセンティーノ・ジャパンのブースも、ゼネラル・マネジャーの世古守が自ら製品について説明し、多くの優れた特長を誇るウルトラ・セラミックストーン「デクトン®」の魅力をお伝えしました。

コセンティーノがファサードに提案するのは、焼結粒子の技術を応用してつくる超圧縮材「デクトン®」です。鉱物の変性過程に似た状況を人工的につくり、その過程を促進させるまったく新しいテクノロジーによって、自然界では数千年にもわたる変性を、地上でわずか数時間で生み出すことに成功しました。美しく、大判で使いやすく、優れた耐紫外線性、汚れ防止性能、耐変色性、さらには高温と低温の両方に高い耐性を備え、機能面で独自の地位を確立しています。

「デクトン®」を壁面に使用する場合、機械的な補強による乾式工法の「ベンチレーション（換気）ファサード」があります。構造上の負荷を基礎部分に十分に伝達し、安定性の高いファサードを構築します。粘着固定式や固定具を使用する「圧着壁」は、審美性に優れ、他の同様の方式に比べてメンテナンスも少なくて済むメリットがあります。あくまでも、構造上の安定性や建物のエネルギー効率、そこで暮らしたり働いたりする人の健康への影響を大切にしたうえで、優れたデザインを表現できるファサード。それがコセンティーノの「デクトン®」です。